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関 泰; 青木 功; 山野 直樹*; 田原 隆志*
Fusion Technology, 30(3), p.1624 - 1629, 1996/12
核融合動力炉において、その運転期間中及び廃炉時に発生する放射性廃棄物の放射化のレベル、崩壊熱、物量等を5通りの構造材料を使用した場合について評価した。その結果が我が国においてどのような意味を有するかについての考察を試みた。中性子フルエンスが10MW・a/m以上の重照射の場合には、中性子多段反応の結果生成する放射性核種の寄与が大きいこと、炉停止後の崩壊熱は構造材料によって減衰の様子が大きく異なることが明らかになった。
武藤 康; 實川 資朗; 菱沼 章道
JAERI-Tech 95-039, 37 Pages, 1995/07
核融合実験炉のプラズマ対向壁の構造材として使用が検討されている316ステンレス鋼は中性子照射により脆化し一様伸びがほとんどゼロになる。このような特性をもつ材料を構造材として使用するには破壊力学による解析を行い構造健全性を調べる必要がある。しかし、現在までに得られている316ステンレス鋼の照射データは極く限られているので、照射材と見かけ上の応力ひずみ特性がほぼ一致している冷間加工材を用いて定式化を試みた。溶体化処理材、20%(15%)冷間加工材、40%冷間加工材に対して応力ひずみ線図を作成し、降伏応力値が等しいという仮定の下に冷間加工度と照射量を結びつけた。また照射データより塑性ひずみの上限を定めた。
倉沢 利昌; 高津 英幸; 関 昌弘; 小野 清*; 小林 重忠*
JAERI-Tech 95-011, 24 Pages, 1995/03
ヘリウム雰囲気下でのブランケット構造材とベリリウム球の両立性試験を650~750C、700~1500時間おこなった。供試材料としては316ステンレス鋼の他、先進材料であるF82H鋼、チタン合金、V合金等の反応性を調べた。反応量の測定は走査電子顕微鏡写真を撮影してから行った。それぞれの材料によって反応層の厚みは異なるが650Cでは反応量は少なく両立性は良いことがわかった。700C以上では供試材料のすべてに渡って反応が開始し、時間と共に増大する。従ってこれらの先端材料の使用温度は700C以下に抑制することが必要と判断できる。今後も316SS鋼と比較しつつ先進材料の両立性データを着実に取得することが必要である。
関 泰; 山内 勇*; 山田 光文*; 川崎 弘光*
Journal of Fusion Energy, 3(4), p.241 - 251, 1984/00
D-T核融合炉の超電導トロイダル磁場コイルの構造材としての5種類の候補綱材の放射化の比較研究を行なった。その結果SUS-316の代りに高マンガン綱を用いるヘリウム容器の位置における線量率が、炉停止1日後で約1/3になり、炉停止10年後にはほぼ1/100になることが示された。この減少はSUS-316には0.28W/O含まれているが高マンガン綱には含まれないCo含有量の差に主に起因している。綱材の組成変化に伴う線量率変化の原因を同定するには、新たに定義した構成元素の線量率感度が役立つことを示した。この感度を用いることによりSUS-316を他の類似組成の綱材で置き換えたときの線量率を推定できる。
渡辺 奈央; 入澤 恵理子; 加藤 千明
no journal, ,
鉛ビスマス共晶合金中の316Lステンレス鋼の表面には、十分な酸素濃度を有すると酸化膜が形成される。この酸化物層は、一定条件下でLBE中のSSの溶解腐食を抑制することが知られている。しかし、LBE中に形成された酸化物層が還元雰囲気に曝された場合、どの程度腐食抑制効果が維持されるかは不明であった。そこで、803K,酸素濃度10wt.%から10wt.%までの低酸素濃度の滞留LBE中で予備酸化した316L SSの1976hの還元試験を実施し評価した。予備酸化後、316L SSの表面には外側のFeO層と内側のFe-Cr酸化物層が形成されていることが確認された。還元試験後、FeO層の大部分は溶解した。一方、Fe-Cr酸化物層は溶解せず、Niを含まないFe-Cr酸化物層はLBEの侵入を防いでいた。しかし、Fe-Cr酸化物層は一部でクラックが発生し、そこをLBEが貫通することが確認された。